『モンスターストライク』の eSports イベント“モンスト プロツアー 2019-2020”が開幕し、当サイトでも勝敗予想キャンペーンがスタート。そこで、投票をより深く楽しめるように、“戦績データから見た本大会”をテーマにした座談会の模様をお届けします。
座談会の参加者は、ファミ通 App メンバーのタイガー桜井氏、宮坊氏、ターザン馬場園氏に加え、プロツアーの実況でも活躍中のeSports キャスター・柴田将平氏の 4 名。
(写真左から、宮坊氏、タイガー桜井氏、柴田将平氏、ターザン馬場園氏)
柴田将平(以下、柴田)
モンスト プロツアー 2019-2020 の第 4 戦までを振り返る前に、まずは Google Play で実施されている勝敗予想の投票データについて語りましょう。
タイガー桜井(以下、桜井)
勝敗予想の投票率が試合後でも確認できるのは、うれしいですよね。
宮坊
過去の投票や勝敗の結果は、今後の投票で役に立つからね。各試合の投票結果を見ると、“今池壁ドンズα”人気のすごさが改めてわかった。
ターザン馬場園(以下、馬場園)
昨年の結果もあって、とくに第 1 、 2 戦は“今池壁ドンズα”に票が集まっている。これぞプロって感じのチームで、信頼度も一番ってことでしょう。
柴田
人気があるのはわかりますが、“アラブルズ”戦での投票率も大きな差があったことには驚きました。本来はここまで差がつくカードではないのですが……。
桜井
まぁ、投票率はあくまで集計であって、その結果が覆ることは大いにあります。実際に、第 4 戦では“4Sleepers”が 85 %対 15 %を覆している。
柴田
たしかに。その結果、“4Sleepers”に投票した方には 85 ポイントが入っているので、その魅力に心をつかまされたはずです。
宮坊
それがキッカケで、そのチームにまた投票したくなる(笑)。
柴田
このシステムはファンの心を動かす要素のひとつであることは間違いないですね。ポイントも関係して応援したくなりますから(笑)。
桜井
勝敗予想をするときは、過去の投票データを見るよりも、選手やチームの戦績データを参考にして決めたほうがいいですね。
馬場園
こちらは平均打ち出し速度やチーム勝率などが見られるし、参考になる要素がある。
宮坊
各データが 1 会場ごとに更新されているのも、うれしい。
柴田
平均打ち出し速度は、差が開いているところでも 0.5 秒程度しかないのが驚きです。
馬場園
その差が大きく影響しているんですよ。 0.5 秒の差は僅かですが、それが手数の分だけ広がっていく。でも、この違いは数字で見ないとわからないので、興味を持つユーザーが多そう。
柴田
数字なら比較して楽しめますし、パッと見ただけで「この人は速いんだ」ってわかるので興味を持つキッカケにもなる。試合の合間や休憩時間に見られたらおもしろそうです。
柴田
では、戦績データを参考にしながら第 4 戦までの大会を振り返りましょう。
馬場園
前半戦で印象的なチームを挙げるなら、“ᎶᏤ ”は外せない。
柴田
投票では、第 2 戦で“ᎶᏤ ”が優勝すると、その後は投票数がすごく伸びている。ユーザーに、その存在感を見せつけていますね。
馬場園
戦績データでも数値が全体的に優秀で、ショットの打ち出しも速い。数字で見ても、プロの貫禄が出てきたのではないでしょうか。
宮坊
“ᎶᏤ”のラストバトル優勢率は 48 %で、じつは相手にリードされてラストバトルに突入しているほうが多い。でも、最後にドカンと決めて勝つのは“ᎶᏤ”。接戦もしっかりものにしているのが戦績データを見てわかりますね。
桜井
『モンスト』のプロ選手たちは、ステージを研究する際にラストバトルの攻略から固めていくことが多いと聞きました。最終バトルを知り尽くしているので、たとえ相手にリードされていても、自分たちの配置をしっかりしていれば逆転の可能がある。そのことからも、ラストバトル優勢率の数字は顕著に出ていると思います。
柴田
ショットの平均打ち出し速度を見ると、“ᎶᏤ ”と“はなっぷ”は全員が 1 秒台。そういうこともわかるのでおもしろいですね。“はなっぷ”は暴走機関車的なイメージで打ち出している感がありますが(笑)。
宮坊
“はなっぷ”といえば、“水駆ける天叢雲の皇子”(ヤマトタケル)のボス 1(バトル 6)でボスの HP を 3 ゲージ分一気に削って“ワンパン”した試合が印象的でした。
桜井
あれは、かなり練習して成功率を高めているはず。そうでもないと本番で実行しないよ。
宮坊
そうだね。あの立ち回りは完全に研究し切っているからこそできる作戦。しかも、本番で成功する“はなっぷ”はダークホース感が強いと感じた。
柴田
僕のなかでは第 4 戦で優勝した“4Sleepers”の試合が一番印象深いです。“今池壁ドンズα”や“アラブルズ”に勝ち、すべてを上書きするほどのインパクトがありました。
宮坊
個人的に今回のプロツアーで一番の伸びたチームだと思います。
桜井
“4Sleepers”の戦績データを見ると、バトル 1 優勢率は 34 %で、ラストバトル優勢率は 72 %。
宮坊
途中までは相手にリードされているけれど、最終バトル前には逆転しているケースが多いってことだね。つまり、追い上げタイプ。
馬場園
先攻ピック時の勝率が 71 %で高いのも特徴だね。
桜井
自分の印象に残ったシーンは、第 4 戦の“アラブルズ”が後攻ピックで“天使を狩りし暴魔の刃”(アマイモン)に挑んだ試合です。先攻ピックのチームにラミエルを取られ、難しい戦いでしたが“アラブルズ”がどれも勝っています。
宮坊
後攻ピックに関わらずクリアタイムがすごく速かった。
桜井
通常なら後攻チームは、このステージでポイントを稼ごうとは考えないはず。なのに、“アラブルズ”は後攻にも関わらず、あのタイムを叩き出している。
馬場園
後攻時のキャラクターピックがうまいってことだね。
桜井
このステージの“アラブルズ”は 5 勝 0 敗の成績で、後攻ピックでも強い。これはプロ全体の意識を上げた試合だったと思います。
柴田
“アラブルズ”は、現状データだと後攻の勝率が 58 %で、先攻時の勝率とほぼ同じですね。あのときの試合も真っ向から勝負して勝ち切ったという試合でした。
馬場園
ちなみに、後攻時の勝率が高いチームは“今池壁ドンズα”の 72 %がトップ。同様に“はなっぷ”や“Cats”も先攻時の勝率よりも、後攻時の勝率のほうが高いチーム。
宮坊
後攻勝率に関しては、チームごとに大きく違っているので、投票するときはそのデータも参考にしたほうがいいかも。
柴田
モンスト プロツアーの後半戦は、順位争いも激しくなりそうです。
桜井
下位にいるチームもレベルが上がってきているので、上位にいるチームでも初戦負けがありえると思います。下位チームの追い上げも見どころかと。
宮坊
第 5 戦からはステージ選択権が絡んでくるので、タイムアタック Round の成績がより大事になってくる。
馬場園
得意なステージを選ぶだけでなく、相手が苦手そうなステージを選ぶケースもありそう。チームデータにステージごとの成績も載っているので、それも活用できるね。
桜井
タイムで言えば、注目は“【華】獣神亭一門”かな。これまでタイムアタックの結果がよくてポイントを稼いでいるのと、試合数も少ないので巻き返しもありえる。どこかで優勝できれば、ツアーファイナル進出の目もあると思います。
馬場園
たしかに順位が低いチームでも試合数が違っている点も見逃せない。あとは、現時点で順位の高いチームがどのような戦略で戦うかもポイントかな。
柴田
どのチームが勝つのかが予想しにくいこともあり、投票しつつ観戦されている方々は、本サイトのデータを見つつ、ぜひ推しチームを作って、観戦も楽しんでもらいたいですね。
※座談会で使用している戦績データは第 4 戦終了時のものです。